▼ひと【NO.6】
名張商工会議所女性会会長 岩見敬子さん

■表舞台でにぎやかに
今年50周年を迎えた名張商工会議所女性会の会長に就任した岩見敬子さん(桔梗が丘5)。大阪市阿倍野区出身。42年前に屋根工事業「瓦勝(かわらしょう)」の創業者である勝由さんと結婚、名張に嫁いできた。
岩見さんは都会から来たので環境の違いを肌で感じたという。「何より、父親は新聞記者だったので、異業種の『お商売』をすることにも戸惑いがありました」と当時を振り返る。屋根工事業は男社会。それだけに会社にこもっての事務仕事には寂しさを覚えた。「人と関わることはほとんどないし、私が何か手伝って作るということもなく、ちょっと寂しい気持ちでした」。
女性会入会後は、いろんな業種とかかわり、名張がわかるようになった。「現メンバーが、入ってくれてありがとうと接してくれ、その気持ちが温かかった」と。
年に数回の勉強会はとにかく出席することを心がけている。参加するに従い柔軟な心が持てるようになった。また、女性の視線から見た企業や商売へのアドバイスは、男性社会の中で生きることも多いと感じた。「勉強会では、おしゃべりも長くなりますが、みなさん細かいことに気がつくので、素晴らしい発想が出てきます。そういうところが楽しい」と笑顔で話す。
利益を追わないで社会貢献するのも女性会の魅力の一つ。会員同士が学んだことを家業に持ち帰り、生かしていくことで、名張の企業や家業が発展していくことを願っているという。そして「女性会は堅苦しいところじゃない。素敵な趣味や、案を持っていらっしゃる方もいる。たくさんの方に会員になっていただき、自分の知識や可能性をアピールしてほしい」とリーダーの雰囲気を漂わせた。
会長就任には夫・勝由さんからの応援も不可決だった。岩見さん夫婦は、互いに干渉しないが、協力できるところは協力し合う。そして2人で楽しめることは一緒に楽しもうという考え方だ。「主人は私に、どんどん外に出た方がいいんじゃないかといってくれます。主人の理解がなければ何事もできないので、ありがたい」と感謝する。夫は本業以外、有形文化財の保全・活用や調査など、県内外で活躍している活動家だ。「夫婦ともども、微力ながら名張を少しでも良くしていけることがあったら、頑張りたい」と頼もしい限り。
日本の空には瓦が似合う。瓦勝は今年から、息子の貴訓さんが跡を継いだ。父の姿を見て小学校5年生のころから瓦屋を目指してきた貴訓さんには「後継者不足といわれる中、息子に感謝しています」と。そして「若い人は可能性を秘めている。女性会も含めてですが、若い人が表舞台で活躍していける名張になればいいなという思いがあります」と語る。
会長をする限りは気持ちよく、楽しくやっていきたい。「まだ就任してから日が浅いですが、協力し合い、女性会を盛り上げたい」。これからの活躍に期待したい。

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