▼ひと【NO.2】
名張市の女性画家・飯田淳子さん

■水墨画の大作個展
水墨画というと例えば横山大観のような老大家や枯山水が思い浮かぶが、実は若い女性、女ざかりの女性が書いた風景画や花の衆合、花盛りの絵など多彩である。作品は、普通の写生ではなく、個性がにじむものが多い。名張市の女性画家・飯田淳子さんの画展が伊賀市福居町の「画廊アートスペース」で開催され、多くの作品が展示されて訪れる人を魅了している。
墨と水、岩塩を使い、独特の手法で墨絵を描いている。飯田さんは、水彩や油彩の洋画から京都造形芸術大学の通信教育部に学んだ。中国で塩を使う技法があることを知り、独自の制作方法を編み出した。
手すき和紙を使い、筆や霧吹きで墨を塗り、岩塩を振りかける独特の手法。その上に水をたらすと、墨と岩塩は解けて和紙に染み出し、独特の模様が現れる。墨、水、岩塩を置く順番を変えるといろんな図柄があらわれ、自然の抽象画のようになる。
画は筆で書くものと思い込んでいる多くの人にとっては、全く新しい世界の作品である。飯田さんによると「絵を見る人によって違った印象になる。見る人の体験や感性によって作品の見え方が異なるはず」と言う。
飯田さんは、今回の個展の収益の一部を「目が見えない人のために役立つ盲導犬育成」のために役立てたいとのことだ。

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