▼ひと【NO.5】
名張青峰高校・八木知夏さん

■おはようのおねえちゃん
「おはようございます」あいさつを毎朝母校の小学校で続けている高校生がいる。三重県立名張青峰高校の八木知夏さん(18)だ。「小学校の時、大人の人から挨拶の声をかけられたのが嬉しくて、高校に行ったら母校の小学校であいさつをしたい」と、家から近い名張青峰高校に進学。朝7時50分、百合が丘小学校(児童数424名)の校門に立ち、登校してくる児童一人ひとりに元気よく笑顔で挨拶をする。児童がほぼ登校し終わる8時15分に歩いて高校へ。3年間、試験期間を除いてほぼ毎日小学校へ、そして高校へ。
「知らない子たちから挨拶の声がかえってくるのが嬉しい」「町であった時、子どもたちが声をかけてくれることもある」嬉しそうに話す。彼女が校門にいない時、「おねえちゃんは?」と子どもたちは心配する。
彼女と子どもたちの間には、目に見えないが強い絆ができたこの3年間。「声を出してあいさつする子が増えた」と地域の人は話す。
全国各地で展開されている「あいさつ運動」。地元の高校生がその主役になっているところはそれほど多くない。高校生をはじめ、若者が行動を起こし、地域づくりの一翼を担う。これからの地域づくりの参考になるのでは。
八木さんは先日名張青峰高校を卒業し、この春から名張を離れ他県の大学に進学する。5日、毎朝いっしょに挨拶を行っている百合が丘小学校森脇洋校長から3年間の労をねぎらうとともに新しい世界での活躍に期待して、感謝状が贈られた。

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